ピックアップインタビュー
ER八王子 動物高度医療救命救急センター
副センター長 柿嶌 圭 様
経歴
2007年:北里大学卒業
2011年:東京大学大学院農学生命科学研究科獣医学専攻 単位取得退学
東京大学附属動物医療センター 元研修医
2012年:動物救急センター(川口市) 勤務医
2017年:ER府中 副センター長
【A1】元々自分自身も勤めていたので状況がわかるのですが、大学病院というのは周りのホームドクターの 先生からのお問い合わせも多く、非常に予約が取りにくいという現状があります。 そのためホームドクターの先生方の「この患者を助けたい」という思いに応えるために 「なるべく即日受け入れ、集中的に検査・治療含め管理できる状態を整えたい」という思いがありました。
【A2】ERグループでクリティカルケアという重症状態の集中治療をやっていくなかで、 専門でできることをもっとサポートしたいという気持ちが強くなったためです。 私はER府中の立ち上げから3年携わっていたのですが、そこで培ったノウハウを元に ホームドクターの先生方との連携もしながら、合併症などのより高度な医療を必要とする 重症患者に対して専門科としても対応できる病院を設立しました。 クリティカルケアという土台がグループ全体でしっかりしてきたからこそ、専門科を設けることで 24時間体制で重症患者により良く向き合える環境ができたと思います。
【A3】24時間というシステムをとることで長期の人工呼吸器管理ができ、件数やノウハウ的には日本でもトップクラスで対応している点です。 また、当グループではどの施設でもどの勤務医でも即時MRIを撮ることができるので、特に中枢神経の救急に診断をつけて治療に取り組むことができます。 それは神経救急に対しての診断というところに関して情報量が多いからこそできることです。 ER八王子でいうと、新しく画像診断科ができ、かなりノウハウが蓄積されてきました。 例えば乳び胸という特定の病気に対して調べる検査や、心電図と合わせて心臓自体を綺麗に描出するような方法もこの専門科があるからこそ対応できるようになりました。 また他院であまりやられていない血液透析の機械・ノウハウもあります。 大動脈血栓塞栓症という症例に関してのバルーンカテーテル法も最近始めました。
【A4】考え方は人それぞれだと思いますが、オーナーさんにとってパートナーであるワンちゃんネコちゃんに対して「やれること全部やってあげた」とご納得することが幸せだと考えています。 経済的な問題から治療のオプションのできるできないはあると思います。ですが、どこまでもとことん治療できる施設って日本でもまだまだ少ないんです。 当グループは、とことんできる施設です。すべてを提示し、その中でオーナーさんに選んでいただく。 それがオーナーさんにとっての幸せだと思いますし、私達はそれができるグループ病院を目指しています。
立てない子が立ち上がる、そういう見た目がダイナミックに良くなるのは救急病院の一番の魅力です。 クリティカルケアとしてまず命を助けたい、画像診断などで高度な症例に関しての原因を突き止めたい、など 皆様の想う「獣医療への携わり方」でぜひ力を貸してください。